ホイットニー・ヒューストンとのデュエット「ホエン・ユー・ビリーヴ」は、ミュージカルの作曲家スティーヴン・シュワルツの作品によるスタンダードソングタイプの作品ですけど、あなたはこのような感じの曲も好きなのですか?
おかしいと思うでしょうけど、正直にいうと、私が一番好きなアルバムは(昔年リリースした)『バタフライ』なのよ。あの中の曲は全部大好きだといっていいわ。
僕もそうですよ
だから、私はまだ「バタフライ」を引きずっているところがあるのね。ニューアルバムの『The Ones』やその資料とかを持っている?どこかに蝶々(バタフライ)のマークが入っているでしょ。それはまだ「バタフライ」の時の気持ちを持っていたいという思いを示しているの。アーティストとしての成長を表現できたアルバムだと自負しているからよ。あの作品にはシングル化していない曲が沢山あるけど、それまでの他の曲と比べてどれも気に入っているといってもいいぐらい。本当に全部大好き。今度の『The Ones』を買った人たちも、またもう一度『バタフライ』に戻って、シングルを出していない曲もじっくり聴いてほしいわね。「ブレイクダウン」(シングルのカップリングソングとして世に出ている)とか「ベイビードール」
「クローズ・マイ・アイズ」とかね。どれもありったけの情熱を注いだんだもの。だから、「タフライ」を今度の『The Ones』ほど、派手な人目につくような作品にしたくはなかったのよ。
その『The Ones』は本当に豪華な内容ですよね。
グレイトディールの作品よね。それにしても、今度のアルバム『The Ones』をNo.1のコレクションにして、グレイテストヒッツにしなかったのは懸命だったわ。もしそうしていたら、内容がかなり異なったはずよ。「メイク・イット・ハップン」や「エニータイム・ユー・ニード・ア・フレンド」のようにNo.1にならなかった曲とか、「バタフライ」からの「ブレイクダウン」とかね。「エンドレス・ラヴ」も考慮に入れなくっちゃ。アルバムにファンへの手紙という形でアルバムのコンセプトについて書いたわ。そのコラムの欄に添えられた蝶々のマーク、素敵ね。私がやったんじゃないけど・・・。
今は蝶のように自由なんですか。
ノーね。だって、すごく働いているんですもの。でも、気分的には前よりずっと自由だわ。
セットアップシングルになる「スウィートハート」は、レイニー・ディヴィスのカヴァーですけど、どういう経緯で歌うことになったのですか。
元々はジャーメイン・デュプリのアルバム『ライフ・イン・1472』のためにレコーディングした曲よ。彼は友達だし、〝どうしても!!〟って言うから。当時、私は忙しくて、曲を言く暇はないと言ったのに、〝お願いだ、マライア〟って感じで。だから、〝リメイクにしない?〟てことになって、「スウィートハート」にしたわけ。この曲は歌うのが簡単だから好き。リメイクするためにじっくり時間をかける暇もなかったし、これだったら、疲れていようと何だろうと歌えるし。それに曲の内容が可愛いのよ。学校に行くというシチュエーションで、お化粧したり・・・。私も楽しんで歌っているわ。
ブライアン・マックナイトとのデュエットについては?
「バタフライ」の「ホエネヴァー・ユー・コール」を、今回のアルバム用にデュエットにしたことよね。まだ、シングルカットされていない曲だけど、こんな名曲もあるってことを知ってほしかったの。今、ワールドツアー用に撮ったフィルムを集めてビデオを作っているの。その他にTVのスペシャル番組用に私の様子をまとめた作品を作ったわ。日本で見られるかどうか分からないけど。見たいと思えば見れるかもよ。その中でオーストラリア、日本もちょっと出てくるし、それから台湾、ハワイでの大きなアロハスタジアムのショー、そしてホームタウンのニューヨークも。実はこのインタビューの2日前の晩に小さいクラブでライヴをやったわ。100人ぐらいしか入れない所でね。
お客さんはラッキーですね。
でも、2曲だけよ。一つはブレンダ・K、スターのリメイク曲(ニューアルバムにも収録された「アイ・スティル・ビリーヴ」)。私は彼女のバックシンガーだったから。ブレンダが来て昔話をしたり、それとブライアン・マックナイトも来てくれて、「ホエネヴァー・ユー・コール」を歌ったわ。TVスペシャルでやると思うけど、『マライア・アラウンド・ザ・ワールド』というタイトルになると思う。その番組では東京ドームやアロハスタジオのような何万人収容という大きな会場での私も、100人ぐらいを前にした私も見られるわけ。こっちは、友達とかレコーディングの関係者など50人ぐらいに声をかけてやったの。
そんな小さな所であなたのライヴが体験できるなんてすごいですね。東京ドームのコンサートに何度も行ったのですけど、いつも顔が見えなくって・・・。
そうなのよ。だから、客席にい所でやったらいいなと思ったの。大きな会場でやると、私から見ても遠いわけ。もちろん、東京ドームは大好きだけど、お客さんから私はすごく遠いのよね。いつも、近くまで降りていきたいと思っているんだけど・・・。実はハワイでそれをやったのね。ステージから降りて、人込みの中へ歩いてみたの。ところが、セキュリティが大騒ぎして、”ダメだ、ダメだ
!ってね。でも大丈夫だったのよ。みんなにお花をあげたり、人々の中に歩いて行ったり。それもTVの番組に使おうかしら。合間にオーストラリアで小さな女の子をステージに上げて、言葉をかけている様子とか、大スターみたいに歌っているところを入れたり(笑)。
今度のアルバムに戻りますが、以前のNo.1ヒットの数々を聴いていると、色々なことを思い出しますよね。例えば「オールウェイズ・ビー・マイ・ベイビー」はとっても悲しいラヴソングなのに、逆にサウンドはハッピーなんですよね。そのコントラストがもう絶妙なんです。
そうね。多分、詞の部分が先にあって、それを口づさんでいたと思うわ。それと、ハッピーなサウンドというのは、(プロデュースを担当した)ジャーメイン・デュプリがエクスケイプのために作ったアルバムのファーストシングル・・、タイトルは忘れちゃったけど、とても好きだった曲なのよ。それで、そういうフィーリングの曲を作りたいと要望したの。ハッピーなサウンドのレコーディングにしたいとね。私の曲でいえば、「ドリームラヴァー」や「ファンタジー」「HONEY」といった速めの曲をイメージすれば、「オールウェイズ・ビー・マイ・ベイビー」のアップな感じと共通点があるでしょ。「スウィートハート」は幾分マイナーな感じだけど、「ブレイクダウン」も同じ感じ。つまり、サウンドはハッピーだけど、詞は悲しいのね。
最近のあなたは色々な表現のヴォーカルに挑戦しているように思います。ボーナストラックとして収録したダイアナ・ロスのカヴアー「マホガニーのテーマ」や、ブレンダの「アイ・スティル・ビリーヴ」も、意識的にオリジナルのアーティストとは違うスタイルにしているような気がするのです。
昔の曲と比べてってこと?これらも最後の部分はとても高いキーで歌っているわ。まあ、最近の何曲かはハスキーに歌っているけど。でも、ホイットニー・ヒューストンとのデュエット「ホエン・ユー・ビリーヴ」は、もっと高くてクリアなヴォーカルよ。彼女とのコントラストで、私が上のパートだったから、色んなヴォーカルを使い分けている。「アイ・スティル・ビリーヴ」などその他の曲は、もっと全体を低めで通しているかしら。その方が感情を表現できると思ったから。曲に込めた気持ちをキープしたかったわけ。
デビューして8年以上経過して、あなたを取り巻く状況は変わりましたね。あなた自身も変わったと思いますか?
ええ、だって、この仕事に入った頃はまだ10代だったのですもの。そりゃ大人になるわよ。でも、特にこの2年の変化は、いわば独り立ちしたというか。以前はそれほど地に足がついてなかったと思うわ。前は仕事している時、契約だから仕方なくみたいな部分があったけど、今はそれを楽しんでいる。
普通、離婚を経験した人ってネガティヴになりがちですけど、あなたはとっても積極的に仕事していますよね。どうして、そんなにポジティヴになれるんですか?
どうしてかしらね。あなたはどうして私がポジティヴだと思うの?
あなたが、ブライベートでもショービジネスにおいてもハッピーだからですよ。
ハッピーな時もあれば、悲しい時もあるわよ。「バタフライ」にはそういうのがみんな詰まっているわ。例えば、「HONEY」は類れんばかりに幸せって感じよ。自由になって、これからは全部自分でできるんだという気分になるけど、他の曲を聴くと色々なことを思い出して、悲しくなるわ。でも、落ち込んだり、悲しい気持ちに溺れたりするのは嫌いだし、できれば、自由に、ハッピーに、自分自身を楽しみたいという性格なの。でも、そういつもハッピーというわけじゃないわ。色んな面があるもの。でも、前に比べたらずっと幸せなのよ。
ずばり、次のマライアは何ですか。
映画よ。そしてそのサウンドトラック盤だわ。
『ライフス・エレメント』のクリス・タッカーと共演する『ダブル・オー・ソウル』と、『オール・ザ・グリッターズ』の企画があるそうですね。
楽しみにしているのは私自身のプロジェクトよ。今のところ、タイトルは「オール・ザ・グリッターズ」といって、「セット・イット・オフ」や「ティナ」で知られるケイト・リニアが脚本を書いて、私がサントラの方をやることになっている。もうすぐ、レコーデイングに入る。もう曲のアイディアはできているのよ。
ミュージカルなんですか?
うーん、80年代が舞台になっていて、シンガーとDJ、ソングライターが出てくるの。音楽は内容の一部として必要なのよ。
だから、ミュージカルのように突然歌い出すのじゃない。私の役はそのDJがいるクラブのシンガーなの。だから、歌が出てくるのは当然なわけ。映画の中で登場人物たちが演要する。小さな女の子も歌うわ。進行するにつれて音楽が色々変化していくし、男性陣の役柄もいいのよ。だから、後はいい役者を捜すだけの段階ね。音楽の面では、私とケイトと演技のカウンセラーで映画の基本的な内容を煮詰めていくうちに、それぞれのシーンからアイディアが生まれるんじゃないかと思う。
演技のレッスンしているそうですね。
今はシーラ・グレイに師事しているわ。ニューヨークでは色んな人たちが彼女についているの。丁度「バタフライ」を作っている時、一日4時間、週4、5回ぐらい、彼女のトレーニングをしていたの。その後、レコーディングに入ってしまったので、中断したけど、曲を香くのにとっても役立ったわ。自分の感情を掘り下げていくことが可能になったの。最近はずっと忙しくて時間が無かったからできなかったけど、今週からまた始めなくちゃね!
マドンナが『エビータ』の役を得るまでにすごく時間がかかりましたね。シンガーが映画で成功するには忍耐と時間が必要だと思います?
観客としては「マドンナのスーザンを探して」の方がいいわ。「エビータ」はちゃんと見ていないの。映画の中でずっと彼女が歌っているそうだけど、マドンナの音楽は、私が普段聴く音楽と違うのね。だから、わざわざ見に行かなかったの。それと、時間がかかるといっても、人によるのじゃないかしら。例えば、ダイアナ・ロスが「ビリー・ホリデイ物語」をやったでしょ。彼女は女優としてもすごく才能のある人だと思う。彼女がシンガーから女優に進出したのは正解だった。はっきりとしたイメージを抱くことができれば、全く別の人格になるのは可能よ。だから、私、女優としても悪くないと思ってる。
ファンとして心配なのは、女優業に進出することによって、これまでのようなりりーススケジュールが難しくなる可能性がある点なんですが・・・。
サントラ盤という方法だってあるでしょ。映画ができれば、サウンドトラックアルバムを作るから大丈夫。今、私が目指しているのは音楽と映像の融合なの!
サントラが出たら、またNo.1が増えちゃいますね。
ありがとう!