マライア・キャリー

その時代や自分の人!への使いや海自されたヒット曲集

Mariah Carey - FM Fan Magazine (Japan) - December 27, 1998 - Scans
Magazine Scans
FM Fan (JP) December 27, 1998. Text by Natsumi Itoh.

マライア・キャリーは最も取材しやすいアーティストの1人だ。諸事情により取材開始時間が遅くなることはあっても、きっちり時間を用意してくれるし、質問にも自分の意見をもってしっかり答えてくれる。それだけ真面目に音楽に取り組み、多くの人に意思を伝えたいということだろう。そして、優しい。

今回の「ザ・ワンズ」がベスト・アルバムと呼ばれないのは、レコード会社の意向で全米第1位に輝いた曲を中心に収録し、マライア本人によるベストな選曲がなされていないため。とはいっても、このアルバムをさらに魅力的なものにしようと、ホイットニー・ヒューストンとの話題のデュエット曲をはじめ、新曲や新録も収められている。

「ホイットニーとはあんなに気が合うとは思わなかったわ。この世界には会ってもいないのに悪く言う人が多いのに、そんなこともなかったし。彼女とは声の質が違うから、おたがい歌いながらパートを探して、そして部分的に一緒に歌ったり、別々に録音したりしたわ」

既に全米第1位が13曲もあるとは驚きだが(女性シンガーで1番の記録)、90年のデビュー曲「ビジョン・オプ・ラブ」が大ヒットするとはまったく予想していなかったという。

「そんな華やかな曲ではなかったし、だれも好きになってくれるとは思わなかった。ただあの曲は声の変化や違う音域の声を表現できる曲だったから、私の声をみんなに理解してもらうには最適だった。私自身はくオール・イン・ユア・ラブ>やくアローン・イン・ラプも気に入っていたんだけど(笑)」

「ザ・ワンズ」の中で特に気に入っているのは、ストリート系の音楽が好きな彼女らしい、オール・ダーティ・バスタード(ウータン・クラン)が参加している「ファンタジー」と、情に厚いマライアだけに、17歳の時にバックコーラスをしていて、後にデビューするきっかけを与えてくれたプレンダ・K・スターのカバー「アイ・スティル・ビリープ」だ。「ブレンダの曲はとにかく感深い。そうそう先日、TVの特部に出ていたら突然プレンダが登場して、当時私が穴の開いた新1足しか持っていなくて、なのに収入を家賃と猫の餌代に使っていたことを暴露されて。 私が忘れていたような話をされてびっくりしたわ(笑)」

「ザ・ワンズ」は最近の曲から昔の曲へと収録してあり、その時代やマライアの人生が投影された自身による作詞や作曲から、彼女の軌跡を味わえるように構成されている。

「曲を作るときは自分でもピアノを弾くけれど、うまくないから、いいピアノ奏者と一緒に作業をするのが好き。私は頭の中でメロディが生まれた時には、それに合ったコードがいつも一緒に聞こえてくる。だからベイビーフェイスやウォルター(アファナシェフ)にはいつも驚かされるわ。”自分の欲しいコードの音を声で表現してしまう人なんて今まで見たことないよって。で、コードが浮かぶから、ハーモニーもすぐに見えてしまうの。だから歌のパートはすぐにできてしまうのよ」

「<ヒーロー>は、今考えてみると、曲を書いた当時に比べて、今ステージの上で歌っている時の方が、自分に対して意味を成す曲になってきている。というのも、ここ1年半から2年の間に私が経験してきたことが、その理由になっているのだけど。それだけに、ライプで観客も一緒に歌ってくれる時は、本当に励まされるようで感動してしまうわ」

今年3月に正式に夫と離婚。別居しただけで”離女”と面白おかしくメデイアに書かれて、相当嫌な思いをしたというが、現在はとても元気ただ、巷でうわさされるような恋人はいないため、アルバムの最初にJDとの「スウィートハート」を持ってきたという。彼女なりのユーモアだ。これからは出演が決まっている映画「DOUBLE O SOUL」と「ALL THAT GLITTERS」に向けて女優業もスタートする。21世紀の活躍がさらに楽しみな才能あふれる美女である。